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教育GP事業について

取組名称: 「理科大学発!科学ボランティアリーダー
—— 地域連携活動による学士力獲得と地域の科学リテラシー向上への貢献」
申請区分: 教育方法の工夫改善を主とする取組
取組期間: 平成 20 年度 〜 22 年度
取組学部等: 全学

教育GP事業は平成22年度で終了しましたが、その後も大学独自の事業として継続しています。

科学教育の"市民コーチ"を養成

 多くの大学において、入学後の学生の学習意欲の発揚と維持は重要な課題と捉えられています。一方、卒業時には、いわゆる学士力の保証も求められています。ひるがえって社会に目を向けると、依然として児童生徒の理工系離れが深刻であるとともに、市民の科学技術リテラシー不足による社会の科学技術力の低下が危惧されています。

 例えばスポーツの分野では、経験者の一般市民がコーチなどのボランティアとして、スポーツ振興を草の根レベルで支えています。科学教育の分野でも同じことが可能ではないでしょうか。本取組みでは、大学の専門教育のポテンシャルを地域の教育機関・施設や市民団体などの社会教育活動と密接に連携させて、学生が地域で科学教室等を実施する"科学ボランティア活動"を推進することで、科学教育の分野でコーチ役を果たせる人材を育成します。この中で学生には実践的な学士力が身に付きます。例えば子ども達に実験の原理をわかりやすく説明する中で専門知識を深められますし、周辺分野の科学リテラシーも向上するでしょう。また、コミュニケーション能力や問題解決力などの社会人基礎力の獲得も期待できます。この様な取組みを通して、"学生も育ち地域も活性化する科学技術振興"が可能であると考えます。

 私たち岡山理科大学は、高度な研究力と専門教育課程だけでなく、理系教員や博物館学芸員の養成にも高い実績を誇るとともに、地域社会の科学技術振興にも積極的に取組んできました。理科系の総合大学としての本学が、全国の大学に先駆けて日本の科学技術の振興を草の根レベルで支える「科学ボランティアリーダー」を本格的に養成して、将来それが全国の大学に波及することを期待しています。

事業の概要と目的

 本取組みでは、科学・工作教室で主体的に活動し、児童生徒および市民の科学技術リテラシー向上に積極的に貢献する人材=「科学ボランティアリーダー」を養成します。その活動を通して、学生に「学士力」(専門知識・コミュニケーション力・問題解決力・社会貢献意欲など)を能動的に獲得させます。
これらの目的を達成するため、本取組みでは以下の様なフレームワークを構築していきます。

  1. 地域の教育機関や社会教育施設(科学館・児童館・公民館等)、市民団体等との多様な連携により、学生が参画できる科学イベントなどの「地域の学びの場」を多数創出します。
  2. 科学イベントへの参加などの課外活動を正課教育と統合し、体験活動を含むプロジェクト型学習中心のカリキュラムを初年次から用意し、手厚い指導で学生の力を引き出します。
  3. 本学独自の「科学ボランティアリーダー認定制度」を設け、明確な審査基準により資格認定を行うことで学習成果の質を保証します。
  4. 本取組みを推進する中核的組織として「科学ボランティアセンター」を新設し、学長のリーダーシップのもと、全学の教職員が一致協力して学生の取組みを支援する体制を構築します。
  5. 学内の「運営委員会」および外部委員を中心とした「評価委員会」を設置し、随時進行状況を監督して取組みの改善をはかります。

事業の趣旨

知識基盤社会の本格的な到来の中、国民の科学技術リテラシーの向上は今後益々重要となります。特に児童生徒の科学技術リテラシーの向上は科学技術創造立国日本の基盤ですが、現実には児童生徒の理工系離れが進んでいます。これを克服するためには、学校教育の内容改善、それを支える質の高い教員や理科支援員の養成・再教育、社会教育施設(科学館等)を拠点として行われる科学教育活動の活性化、それを支える博物館学芸員と市民の力量向上など、多方面からの取組が必要です。

科学イメージ近年「青少年のための科学の祭典」等の大型の科学イベントが行われるようになり、テレビでは科学ショーが頻繁に放映されています。これらの「楽しい科学」は、国民の科学への関心を高めるという点で一定の成功を収めていますが、一過性のものに留まりがちです。児童生徒の理工系離れ克服のためには、科学の神髄を体得し、人を育てるスキルと情熱をもった質の高い科学ボランティアリーダーが、各小学校区(全国で2万強)程度の単位で継続的に科学・工作教室、自由研究の指導等を実施することが望まれます。例えば、スポーツや文化の振興には地域に多数存在するボランティアリーダー(少年野球の監督など)が大きく貢献しています。一方,科学分野ではボランティアリーダーが決定的に不足しています。この人材養成を担うのに最も適した機関は理工系の大学・学部です。科学ボランティア活動は専門知識を生かした社会貢献活動であり、社会人基礎力等も身につくので、学生の潜在的ニーズは高いと思われます。例えば、全国の理工系学生の1割(年間1万人強)が在学中および卒業後に科学ボランティア活動を展開すれば、我が国の科学教育は飛躍的に充実するでしょう。

同時に、近年,家庭や地域コミュニティーの弱体化も大きな問題となっており、職業人もワーク・ライフ・バランスを取り、地域コミュニティー再構築や子どもの教育への参画が求められています。もともと全ての理工系出身者は、身近な人々と科学コミュニケーションを楽しみ、科学を市民の中に真に根付かせていく力を潜在的にもっています。学生時代の科学ボランティア験は、学生の中で地域社会参画の原体験となり、職場・地域・家庭のいずれでも存在感のある社会人の育成に寄与するでしょう。

世界に目を転ずれば、発展途上国などでは科学の魅力を伝える活動が本格的には始まっていない国も存在します。しかし、こういった国こそ科学が必要であり、我が国の科学ボランティア活動のノウハウを輸出することが求められています。また、科学による楽しいコミュニケーションは、国際交流全般を促進する上でも役立つでしょう。

岡山理科大学は、このような社会的要請に応えつつ、その中で学生の専門的知識・コミュニケーション力・問題解決力・社会貢献意欲・創造的思考力などの力を統合的に高めるため、「科学ボランティアリーダー」養成事業を本格的に進めていきます。正課教育プログラムの充実と課外活動の支援などが事業内容です。具体的な内容について確定した時点で公表します。

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